算数や数学は数や式で押していくと,どうしてもわかりにくくなります。わかりにくさは,つまらなさにつながり,次第に算数嫌いへの道を歩むことになります。

 でも,算数ソフトが伴うと,これが180度逆向きになります。算数が好きになっていくのです。

 今日は,ちょっと「製品版」からお話ししましょう。
 製品版というのは,『子供が夢中で手を挙げる算数の授業』(さくら社)です。算数ソフトが,単元毎にそろえられて入っているDVDブックです。そろっているのでとても便利です。中身もすごいです。

 今回のお話で使うのは,5年の2巻です。「倍数と約数(16本)」「割合と円グラフ・帯グラフ(23本)」の2単元のソフトが収録されています。

 2巻の中の「倍数と約数」に「01B,倍数/2~12の倍数」というソフトがあります。左に貼り付いている画像が01Bソフトの画面です。
 左端の黒いところをクリックすると,倍数のところに色がつきます。これを3つ見せると,何とはなく規則性が感じ取れてくるのです。
 この規則性が何で感じ取れるのかというと,2の倍数,3の倍数,4の倍数を整頓して並べているからです。バラバラに見せたら,斜めに見えてくる規則性には気づきようがありません。並んでいるから,見えてくるのです。
 
 4の倍数まで見た段階で5の倍数を考えてみると,2つの考え方が見いだされてきます。
 1つは,5をかけ算して見いだす方法です。普通の算数の授業ではこの方法を学びます。
 もう一つは,5を使わずに,2・3・4からの規則性から5の倍数に迫ろうとする方法です。見つけた斜めの規則性で,先の世界を見てやろうとしているのです。こういう頭の働きを子供たちがしてきたら,うれしいものがあります。論理的に考えていく力強さのようなものを感じてきます。
 
 そうして,12の倍数まで全部クリックして見せていくと,斜めの規則性がどうも計算の式のように表せることに気がついてきます。
 「先生,2の段の上に1の段があるんだよね」と言う子がいたら,すごいです。
 1の段をペンで補って書いていくと・・・

   1から始まる斜めは,全部+1になっている。
   2から始まる斜めは,全部+2になっている。
   3から始まる斜めは,全部+3になっている。

 ということは,1万から始まる斜めは全部+1万になっているということになります。
  「全部,+α」となっているという考え方は,等差数列の考え方です。そこに,子供たちが何とはなく触れてしまいます。

 通常の倍数も当然バッチリできて,さらに,等差数列をちょいとのぞかせてやれます。
 算数ソフトはやっぱりグッドです。教室の薄型テレビ(デジタルテレビ)にドーンと映し出しましょう!