デカルトの『精神道の規則』です。

  この本には,反復練習の最低回数が3回であることが論理的に示されています。
  そこを読んだときには,うなりました。関係性として把握すれば,確かにその通りと,ストンと腑に落ちたのです。
  それまでは,「桃太郎の繰り返し」の論理で感覚的に3回必要と把握していました。でも,なぜ3回なのか,そこをつっこまれると答えに窮する状態でした。
  それが,論理的に説明できるようになったのです。私にとっては,画期的なアウフヘーベンでした。
  まさに,「すごい」の一言です。
  
  『精神指導の規則』は,私にとって,「理解指導の方法」として迫ってくる本なのです。
  子ども達が算数の何かを理解するということは,どういう事なのか,それが記されているとっても重要な本なので,時々講演などでも紹介しています。
  先だって兵庫で開催された教材授業開発セミナー全国大会での講演でも紹介しました。ただし,難しくてなかなか読めないから無理することはないと付け加えました。
  でも,なかなか読めなかったのは私だけかもしれないので,ここに紹介することにします。講座で関心を持った先生,この本があのとき紹介した本です。

  私の好きなところを,ちょっと引用してみます。
「規則第九
 精神のすべての力を極めて些細な容易な事物に向けるべきである,そして,我等が真理を判明に明瞭に直観するに慣れるまで,長くそこにとゞまるべきである。」

  この後に,詳しい論述が展開されています。すごいですよ。

  算数ソフトを使うと,理解が容易に進むことが,こういった章をよむことで,確かに!と伝わってきます。
  算数ソフトは単に時代の生んだ新しい教材と言うだけでなく,理解の指導に非常に優れた教材であることが,よくわかります。