横山験也のちょっと一休み】№.2304

西村徹の先生の『教師の作法 修養』は、明日の11日が発売日です!!
楽しみですね!

■日本の算数は流儀が違う■
ルワンダの教科書を見ていると、確かに日本の算数は練りに練られていると感じます。
だから、日本のやり方を世界に!という思いになるのも、よくわかります。

私も、ルワンダに渡る前にはそのように思っていました。
しかし、現地の教科書や授業を見て、どうにも日本の算数をそのまま伝えては、ルワンダにとって益が少ないと思えるところがあることに気づかされました。

日本では1年生の数の学習で、四角いタイルの形が主に使われています。
遠山啓先生が推し進めていた水道方式が、早くからタイルの良さを伝え、それが教科書に溶け込み、今の状態になっています。

学生の頃に読んだ水道方式の本には、ロシアで使われている〇より、タイルの□の方が良いというようなことが書いてありました。その理由に大いに納得したものでした。
明治になって輸入されてきた数の表し方が、日本で研究され□の形に進化したのです。

この進化は日本人の子にとって実に有意義で、理解を助け、その先の学習へもつながっていました。
が、世界的にみると、こういった日本での算数の進化は、独自の進化となっています。

その典型は、小数の割り算です。
たぶん、日本の小数の割り算は世界的にも類を見ない方法なのではないかと思えています。

まだ少しの国の教科書を見た程度ですが、この予想は当たっていると思います。
その大きな理由はルワンダなどは、植民地が長かったことです。

そんなことを考えると、算数は確かに世界共通なのですが、教育という世界では違いがあり、分かりやすさを徹底希求した日本の算数は、世界とはちょっと流儀の異なる算数になっていると理解した方が良いのではないかと思っています。

算数の研究は面白いです。
もうしばらくこういった比較研究をして、次の世界の研究に進みたいと思っています。
算数は面白いですね。

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