【横山験也のちょっと一休み】№.2234

算数ソフトの【学年版】はいいですね。
使っている教室ではGWのはざまの登校日も算数は盛り上がりますね。

■算数の話(3) 数字の書体■

旧制中学の受験本『基本算術書』が手元にあります。
その最初に書いてある指導は、数字の書き方です。

その字体はごらんのような斜体(筆記体)になっています。
この斜体の数字、私が小学校に入学したころに使っていたノートがみんなこの表記をしていました。
ノートのます目の一番上に、左から1、2、3・・・・0と書かれているあの数字です。

それが、昭和30年代後半でしょうか。縦にカツンとした今風の数字の表記に変わりました。
登校途中にある文房具屋に並んでいる算数のノートを見て、「変な感じ」と思いました。ですが、今思えば、数字が日本語化した歴史的な転換点を見ていたことになります。

123などの数字は、江戸時代までは使っていませんでした。
江戸時代までは漢数字を使って表していたからです。

それが明治になり西洋の教育を学校で実行することになりました。
縦書きで表していた算術は、横書きに変りました。
数字も漢数字から123などのアラビア数字に変りました。
123などの数字は、西洋からの渡来文字なのでアルファベットと同様に斜体(筆記体)で書いていたのです。

でも、小学校で習う算数は日本語の中に数字が出てくる構図になっています。
楷書の中に斜体が入るのも少々不自然と感じたのでしょうね。
また、楷書の中に斜体を交えて書く学習を小学生が行うことに違和感を感じたのでしょうね。

こんなことをふと思うと、当時の先生方は学ぶ子供たちのために算数そのものを改善することもしていたのだなぁと感じてきます。

「斜体はこう書く」という技術伝授の指導法を考えることもとても大切です。
同時に、「斜体から楷書へ」という算数文化を前進させることを考えることも大切なことなります。

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