『現代 国民作法精義』という昭和5年の本を読み返しました。
作法の本ですから,その筋の話しが満載されています。

目に付いたところに,「拝(おが)む」の読み方のいわれがありました。
「拝む」は,上古の時代には「おろがむ」と言っていたそうです。
『釈日本紀(ぎ)』(鎌倉末に成立)は,これを「乎礼加々無(おれかがむ)」と注釈しているそうです。
自分の体を折り屈めて敬礼をするのが「拝む」の元々の姿。
なるほど!と感心します。

友達の工藤良信先生が全校集会でお話しをされました。
その1つが,「聴く」ことのお話しです。

普通の場合は,「しっかり聴きましょう」とか「良い耳で聴きましょう」と,一般的な話しをします。
工藤先生は,ちょっと違いました。
「聴く」という漢字を示してお話しされたそうです。

「目+耳+心」が「聴く」なんだよ!

耳だけじゃなくて,目でも聴くんだね!
心でも聴くんだね!

なんだか,有り難いお話しに聞こえてきます。
そういえば,「聴」は,「徳」という漢字に似ています。
スッと腑に落ちるだけでなく,心も温まりますね。

漢字を使って話しをすると,不思議と納得の気持ちになります。
歴史的なところからの話しでも,部品からの話しでも。
日本人の心が伝わってくるようで,良い気持ちになります。