札幌へ向かう道中,『学力と階層』(苅谷剛彦著,朝日文庫)を読みました。
学力格差は家庭の差が大きな差になっていることがみっちりと書いてあります。

そこを学ばせていただこうと思って読み進めていたら,途中にでてきた家庭環境調査を見て,私の思考が大きくずれていき,最後まで読んだのですが,ぼんやりとした読みに終始してしまいました。

引っかかりを持った家庭環境調査ですが,次の項目が挙げられていました。
「朝,自分で起きる」
「朝食を食べる」
「朝,歯をみがく」
「行ってきます。ただいまのあいさつをする」
「前の日に学校の用意をする」
「決まった時間にねる」
これが基本的生活習慣の質問項目として出ていました。

この本の中でもこの項目自体はたいした重みのある所ではありません。サラリと読んで通過していくところですが,たまたまこの本を読んだ翌日が,札幌で「作法」の話しをする日になっていたので,私のモードはかなり強く「作法」になっていました。
そんな状態だったので,上の調査項目を読んで,「えっ!?」と思ったのです。

姿勢を問う項目がないことに,驚いたのです。

例えば,「姿勢正しく45分座っていられる」という項目があってしかるべきなのです。
何しろ,小学校の基本的生活の代表格は,席に座る習慣をしっかり付ける事です。当然のことながら,それは良い姿勢で座る事です。これができているからそこ,国語や算数などのデスクワークの学習がしっかりと頭に入っていくのです。

頭の後ろの方で,「姿勢がなぜ無いのか」「姿勢がないから,もしかしたら・・・」「姿勢が項目に入っていたら・・」とモソモソとしていたので,せっかくの 『学力と階層』の読みに力が入らず,うわべで読んでいる感じになってしまいました。
でも,それ以上に,自分の問題意識を一つ持たせてもらえたので,多いに有り難い本となりました。