【横山験也のちょっと一休み】№.2819

先日、そろばんの話を少し書きましたが、そろばんの名称について、思い出したことがありました。

五珠、一珠はそろばんを教える時に使いますので、先生方は皆さんご存知と思います。
また、枠、梁、桁、定位点も教科書に出てきますので、ご存知と思います。

この他にも、天地と上下の名称があります。
天地は荷物の上面下面でも使われているので、そういう言い回しがそろばんにあっても、そうだねと思います。

ちょっと驚いたのは、左右に「上(かみ)」「下(しも)」があったことです。
一瞬、「なんで?」と思いましたが、すぐに合点がいきました。
・桁が上がる
・桁が下がる
そういえば、「繰り上がる」という言葉も計算をする時に出てきます。
また、漢数字時代は縦書きが基本だったので、上から順に万千百十と書いていきます。それもあってのことかと思います。

現役時代、38+29などの計算を子ども達に説明する時に、「8と9を足して17、その10は繰り上がって・・・」と話していました。
この「繰り上がる」という言い回しは、なかなかの曲者で、子ども達に説明する時、ストンと行きづらいものを感じていました。
そんなころ、雑誌論文だったと思いますが、「繰り上がり」をやめて、「桁上がり」を使おう!と書いている先生がいました。

「なるほど!」と思うと、すぐにその気になりやすかったので、実際に授業で「桁上がり」と話したら、「桁」も微妙にイマイチでした。

「そうか!」と思い、「位上がり」を閃きました。
「なかなか良いじゃん!」と思って、使ってみたら、「くらいあがり」は少々長ったらしく感じられ、気が付くと「繰り上がり」に戻っていました。

もしかしたら、こういう歴史が、記録に残らない算数史にもあったのかもしれないと、歴史とつなげることで自己完結しました。

そろばんの名称に桁があったので、こんなことも思い出しましたが、桁が珠を貫いている棒のことだと知ったのは、かなり時がたってからの事でした。

そろばんの名称、<算数ソフト>に入っています。
お持ちの先生、指導の時に御活用ください。

こちらは、とても楽しい算数の「手づくり教材」がたくさん載っています。
こういう変化球も好き!という先生に喜ばれています。


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