『動きが心をつくる』
体から脳に良い影響を与えるのが,姿勢であり,作法であると思っています。
そんな思いがあったので,この本の「はじめに」を読んで,「これは良い!」とビビッときました。

脳という中枢の存在は,抹消である四肢の活動経験の集積であって,末梢である身体なしに存在しえない。

姿勢を良くすると,なぜ脳によいのか。
その一つの解がこの本にあったのです。

脳は動物の進化の後半から生まれたのであって,多くの動物は脳なしで充分に生きてきたし,生きている。

生物の脳の発達という観点からも,体が与える脳への影響は,ただならぬものがありそうです。
オーソドックスに思うと,脳が体に命令をして体が動いていると思ってしまいがちですが,作法などを研究していると,体の動作が脳の意識を変えていくという現象が当たり前のように存在している事に気付きます。
脳より先に体ができていたのですから,もしかすると,姿勢などの研究は原始的なところで脳へ強い影響を与えるのではないと思えてきます。
そんなことを思って,先を読んでいたら,「姿勢が心理に及ぼす効果」「長野県伊那市の小中学校での姿勢研究」などがあり,なるほどと腑に落ちました。

子ども達のやる気が無いからあの手この手を考えるのですが,その一つの根本的対応として,「姿勢を良くする」というのがこれから先,広まっていくと思っています。
「姿勢から勉強に入る」
これが常識となる日が来るように思えています。
「体と脳の関係」は,なかなか面白いです。