b8010「笑いのある講座」
私が話すと,たいていはこうなります。

大阪の野口塾でもそうでした。
講座がスタートしたので,私は今回のテーマ(算数ソフトと事前学習)を,板書しました。

それから,算数ソフトについて知っているかどうか,手を挙げてもらいました。
「知っている人」と問うと,半数以上の先生が手を挙げました。
「知らない人」と問うと,少なめの先生が手を挙げました。
知っている先生の方が多いという結果になりました。

ここまでは,誰も笑いません。当然です。ただ,質問をして手を挙げてもらっただけだからです。

この状況を受けて,私は一言言いました。
この一言で,会場がクスッとなりました。
何と言ったかというと,
知っている人が多い中,「余り知らない人が多いようですね。」と言ったのです。
会場はこれでクスッとなりました。
手の上げ率と私の言葉が一致しないからです。
予期している方向とは違う一言が出たで,心が少しくすぐられたのです。

続けて,事前学習についても聞きました。
「知っている人」。大半の先生が手を挙げました。
「知らない人」。ほんの少しの先生が手を挙げました。
こちらも知っている先生が多いとなりました。

そこで,さらに追い打ちをかけるように,「大方の先生が知らないようですね」と言いました。
笑いが大きくなりました。2度続けて,状況とは異なる言葉を発したからです。

これで空気が暖まってきました。
こうなると,私は元気になります。
間髪を入れずに,語気を少し強めて私は言いました。
「今日は,算数ソフトと事前学習の“入門”の話をします!」
会場には笑いの渦ができました。
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講座の始まりですから,いわゆる「つかみ」というものです。
会場の人々の心を,スタートでつかむことができたら,後は良い流れになります。

でも,こういう笑いは些末なことです。
大事なことは,話の中身です。
事前の準備をしっかり行い,確かに納得という話ができれば,随所に笑いを入れることができます。
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大阪に,阿部先生という明るい笑いの得意な先生がいます。
若い先生ですが,かなり先が楽しみです。
阿部先生が,転がるように楽しんでくれた話を一つ記します。

野口塾ですから,「・・・はマル,・・・はバツ。」という指示がよく出ます。
私もそのように言って,会場の皆さんが,○・×を書き始めました。
その瞬間,私は「○の筆順が分からない人は・・」と言ったのです。
これが,阿部先生に大受けしました。
学級でも,やったそうです。
笑いは誰にどう響くか分かったものではありません。
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