江戸時代の学びの風景です。
教えている先生は「手島先生」です。教えている内容は「行儀作法,一切の心得事」です。

先生は一段高いところにいます。正座して見台に書を載せ,それを読んでいるのだと思います。

子ども達は,左右に分かれています。先生の左手側に男子。右手側が女子。
「男女七歳にして席を同じゅうせず」という,中国古典の『礼記(らいき)』の第12章「内則(だいそく)」に載っている言葉を思い出します。内則には「家庭内の礼儀作法」が記されています。この後に続く言葉は「食を共にせず」です。
礼儀作法を教えている教室ですので,古来の作法に則っています。

ですが,中央に線を引いているが何ともいえず,おかしいです。これは,座を分けるために引いたのです。「席を同じゅうせず」の「席」は,椅子ではなく敷物のことです。4人が座れるぐらいの敷物でした。同じ敷物に乗らないのが作法なので,線を引くことで別の座としたのです。座の「見える指導」ともとれますね。

子ども達,少々,よそ見をしていますが,この程度は普通だったようです。
控えの間に大人が2人います。たぶん,付き添いです。その控えの間にいる子ども達は入門前の子のようです。

この本,まだ,あまりよく読んでいません。さっき,ちょっと読んだら,案外良く読めていたので,時間を見て読んで見ようと思っています。書名は『主従心得草』の3編の上巻です。