『源氏物語』をなんとか読み終えました。
ただ,目を通しただけ,という感じでもあります。
なにしろ,読んでいるとボーッとしてきて,
何が何だか,よく分からないのです。
ようやく,何かしら分かってきたのは,終盤でした。
目と頭が源氏物語に慣れるのに,十日もかかったことになります。

そんな読み方をしていても,
ところどころ,やっぱり面白いところがあり,勉強になりました。

当時の偉い人が移動するときには,先払いがいたのです。
江戸時代でしたら,「下にー,下にー」と言っていたあの人です。
その声も時と場合によって,変えていました。
これは,なかなか面白いと感じたところです。

船旅の最中に涙を流すのは,不吉とされていました。
水の上で水ですから,分かるような気がしました。

驚いたのは,この頃,すでに火の用心の夜回りが行われていたことです。
火事は江戸の花ですが,そもそも燃えやすい建材で家が造られているので,
昔から火の始末には気を配っていたことになります。
現代語訳でない本を買って,どういう言葉を言っていたのか,
調べてみたい気持ちにもなっています。
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不思議と感じたのは,
数がほとんど出てこないことです。
部屋がいくつあるとか,何枚の重ね着をしているとか・・・
年齢がたまに出てくるぐらいで,
紫式部にとって,数は関心所では無かったようです。
ちょっと残念な思いです。