【横山験也のちょっと一休み】№.2959

久しぶりに吉田光由の『塵劫記』(岩波文庫)を読み返しました。
以前は気にならなかったことが、新しく気になり、本は面白いものだと思います。

この本の校注に、嬉しい表記を見つけました。

小判の単位は十進法でないから、端数はすべて両の帯小数に直して計算する。


今は使われなくなった「帯小数」という用語が、ごく自然に使われています。
しかも、学校用の算術書ではありません。
私にとって、かなりの希少性です。

この校注を記したのは大矢真一です。ウィキによると1907年(明治40年)生まれとなっています。終戦を迎えたのは37、8歳頃です。「帯小数」を自然と用いるのも納得できます。

ちょっと嬉しくなって、神保町の古本屋に行って、和本の『塵劫記』を少し眺めました。
変体仮名文字なので、ほぼ眺める状態ですが、ここでもいい気分になりました。


面白い算数の本です。小学校の先生向けの本です。

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