初期の頃の葉書郵便はがきです。
ちょっと古い感じがしますね。

このはがきは明治8年から発売が開始された,今となっては珍しいはがきです。
表面には飾り罫があり,「郵便はがき」の文字も上部ではなく,左側にあります。
初期の頃のはがきしかも,「はがき」の「は」は,変体仮名です。さすがに,PCのフォントには入っていません。
また,「はがき」の「が」は,にごらず「か」です。
こういう表記を見ると,この時代の文化を感じます。

郵便制度が出来て,はがきも日本で使われるようになりました。
はがきは江戸時代には無かった文化なので,はがきの使い方・書き方を誰も知らないところからのスタートでした。
相手と自分の住所氏名をどこに書いたらいいのかよくわかりません。
そこで,利用する人が間違えないようにするための工夫がなされていました。

はがきの左下の文章がその工夫です。初期の頃のはがき

此表面ニハ宿所姓名ヲ限リ認メ
 裏面ニ通信文言ヲ認ムベキ事

表面には,住所と名前だけを書くと,伝えています。
さすがだなと思うのは,「表面」の文字の前に,「この」と書いていることです。どっちが表面か分からない人に,表はこの文字を読んでいるその面であることを,「この」の文字がしっかり伝えています。
こういうの,いいですよね。

表面が見ている面と分かったので,裏面もすぐに分かります。
通信文を書くのは裏面だけと示しています。
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この取扱いの説明を記す丁寧さが,やっぱり日本的なのだと思います。
好き勝手に書かれたら,困る人が出てくるのは明白です。
困り事,困る人がなるたけ出ないようにと願って,また,郵便業務が円滑に進むことを願って,解説を印刷したのです。
これ,事前学習法に通じる日本人らしい工夫ですね。
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このはがきに似たはがきが手元に少しあります。
事前学習法セミナーの折に,どなたかに差し上げたいと思います。
次回の事前学習法セミナーは6月ですが,その前に,2月の野口塾IN大阪で,事前学習法に関わる算数ソフトの話をしますので,そこで差し上げたいと思っています。覚えていたら,ですが・・・・。
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