【横山験也のちょっと一休み】№.3756

城ケ崎先生と久しぶりに歓談しました。
話題に出たのは、「道徳読み」のセミナーのことと、学級づくりです。

「道徳読み」セミナーに関しては、やはり、藤岡信勝先生からの質問、「真善美の美をどうかんがえるか」に話が集中しました。

印象的だったのは、城ケ崎先生が藤岡先生の質問を聞いたとき、「美」から、いわゆる芸術が頭に広がったと言ったことでした。
これは、そうなるのが普通の事です。それを間髪入れずに「道徳という視点から見た美」というように土俵を再設定できる人は、そういません。そうするにはシステム2を起動させないとならないからです。

こういうことが分かると、話し合っている内容には、土俵があることが分かってきます。
話し合うときは、まず、何らかの土俵が出てきます。今回のセミナーでは道徳です。道徳が土俵となって話が始まっています。
その土俵が、突然、大きく変わる瞬間があります。それが、今回は藤岡先生の質問で生じました。土俵が芸術になったのです。それまでの道徳という土俵は一瞬にして消えてしまったかのようになります。自然と、芸術に頭が向き、そこで思考が進むと、それまでの道徳の話とは土俵が違うので、うまくかみ合わないことが起こりやすくなります。

こういうことは雑談ではよく起こります。話題が変わる瞬間などです。ですが、雑談はそれも楽しさの一つなので、大した問題にはなりません。しかしながら、セミナーなどでは土俵がずれないように、自分から「道徳の美」と考えられるように、意識をもつことが大切となります。私は、ちょっとその力が弱かったと反省しています。

こういう面白い話になるので、城ケ崎先生との話は愉快です。

学級づくりの話題は、城ケ崎先生が実践を話してくれ、それを私が進化教育学から解説するという流れでした。
主だった話題は、「給食の準備の話」と「運動会の応援歌の話」です。
詳しいことは書きませんが、準備の所要時間を板書したら、どんどん準備時間が短くなったという話です。それを進化教育学から分析し、「スピード」から「協力」「和やか」へ、という話になりました。
運動会の応援歌も同様な話でした。

良いなぁと思ったのは、解説を聞いている城ケ崎先生の頭がふつふつと燃えてきていることでした。実践の話をして、そこにちょっと進化教育学から話を聞いただけで、さらにあれこれと学級づくりが湧き上がってきます。これは、いい流れです。力のある先生が進化教育学を受けて入れてくれると、教育の流れが変わる可能性が出てきますね。