「数の重層構造」と呼ばれる,数の学習用教材です。
考え方は,とても簡単です。
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◆ 2桁以上の数は,位毎に階層を作っている
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と考えます。
この考えに従って,階層毎のカードを作ります。
これで準備はOKです。
授業では,カードを重ねて用意しておきます。
子ども達にカードを見せ,「読みましょう!」などと,勉強を始めます。
「425!」と元気に答えてくれたら,簡単に問題を出します。
「425って,何と何と何でできている数ですか」
ピンと来ない子がいても,いっこうにかまいません。
重ねた紙をばらせば,誰でもすぐに分かることだからです。
「見れば分かる」というのは,とても重要な学習法です。
目と耳とでは情報の処理能力に大きな違いがあるからです。
その差は,何と500倍以上。
目から入る情報は,耳からはいる情報より圧倒的に多く処理されるのです。
ですから,数の重層構造を,
「いいですか。425というのはね,400と20と5からできているんだよ」と,声で説明をしても,子ども達の頭が処理する情報は,カードを見たときより,うんと少ないのです。
◆ 陰に隠れている「0」の情報も入りません。
◆ 重なる過程で見る形成の様子も情報として処理されません。
教材を準備して授業をすることが,いかに大切なことなのか,こういった処理量からもわかります。
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「数の重層構造」の考え方は,算数ソフト(2年3巻)にも生かされています。
[クリック]ボタンをクリックすると,次から次へと数が変わります。
数をマウスでドラッグすると,右のようにカードをバラせます。
[整列]ボタンを押すと,数カードがきちんと重なり,普通の数の状態になります。
数カード教材や算数ソフトを使って,算数を視覚的に示すように心がけましょう。
子ども達は,見ることで算数的体験をし,算数の豊かさを吸収していきます。