国語のセミナーで時々耳にするのは「読む」「書く」「話す」「聞く」の4つの活動です。
そのどれもこれも大切で,特に昨今は能動的にということで,話す・書くに力が向きます。

この4つを礼儀作法の観点から見ると,一番大事なのは「聞く」となります。
「話す」「読む」「書く」はその後に位置します。

どうして,「聞く」は大事なのでしょう。
それは,「聞く」という行為が人に合わせることを根本としているからです。

「話す」も「書く」も「読む」も自分でする行為です。
特に「書く」「読む」は相手が紙です。
紙に書き,紙の本を読み・・・となっています。
「話す」は,相手がいます。多少,相手のことを考えますが,相手がどうであっても「話す」ことはできてしまいます。
自分のペースでできるのが,この3つなのです。

これに対して,「聞く」は自分のペースではできません。
相手のペースに自分を合わせることで,初めて聞けるのです。
相手を受け入れると言っても良いでしょう。
野口先生流に言うと,「受容」です。
人の話を聞くことは,ただそれだけで,受け入れる受容の力が育っていきます。
自然と,勉強を受け入れ吸収する力も高まります。

先生としては,子供達に聞きやすく話すことも大切です。
同時に,子供達に聞こうとする姿勢を高めようと意識させることも大切です。

その昔,「男は黙ってサッポロビール」というCMがありました。
このCMを知らない人には,「しゃべらずにじっと聞いているだけで,人格は育つ」という意味なんだと話したことがあります。CMと大きくかけ離れますが,その気になってくれます。

「聞く」のが上手だなと思うのは,城ヶ崎滋雄先生です。
古武道を学び,不登校の子と向き合い,人格形成の道を歩んでいるだけあります。

b7872先日,『3ステップ 聞くトレーニング』の上嶋先生とお会いしました。
この本は「聞く」を学ばせるすばらしい本です。
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