【横山験也のちょっと一休み】№.3767

『さくらmathはじめます!』に関連して、長さの話を一つ。

1年生で長さの学習をします。
若いころから、「長さや広さなどの単元は凝っているなぁ」と思っていました。

私などの感覚だと、cmなどの単位を最初っから教えてしまえばいいのにと、思います。
何しろ手元には定規があり、そこにはcm単位、mm単位の目盛りが描かれています。
「それを使って、長さを数で表すことができるんだよ」と持って行けば、あっさりと分かっていきます。
算数の大事な点は、日常のあれこれを数に置き換えて考える思考を身に付けることと考えているからです。

しかしながら、学校では、直接比較、間接比較という数を伴わない学習から入り、任意単位、そうして普遍単位へと進みます。長さの人類史を丁寧に歩んでいる感覚になります。
その中の直接比較は、歴史的にも最も長い体験をしてきたタイプです。目測だからです。道具を使う以前の長い長い歴史で培われてきた能力です。ですので、誰しもが本能的に持ち合わせている能力となっています。

こういう長い歴史から学ぶのが算数なのですが、そこを学習するときには、端をそろえるという知恵もきちんと授けてくれています。こうすることで、一目で長短がわかります。学校の学習はよく練られています。

『さくらmathはじめます!』では、左のような場面が出てきて、どっちが長いか考えます。
直接比較の学習です。端をそろえているので、より明確にどっちが長いかが分かります。
直感的に、パッとわかります。そうして、数を使う任意単位へと学んでいきます。

『さくらmathはじめます!』は、1巻2巻が販売されています。8月には3巻4巻も登場予定です。
さくらmathファンの先生、どうぞ、ご期待ください。

下の本は、私の書いた算数のアイディア教材の本です。