【横山験也のちょっと一休み】№.3759
石巻で私が話している姿を、櫻井先生が動画撮影してくれました。
<こちら>です。
三角形の内角の和を教える時に使える、手作り教材「カマキリライダー180°」を解説的にやっているところです。
動画には、櫻井先生が「感覚的説明の真髄」と書いてくれています。
これは、説明には大きく2種類あり、一つが「論理的説明」、もう一つが「感覚的説明」と話していたので、そこからキャッチを作ってくれました。
算数の教科書は論理的説明の宝庫です。分かりやすく、詳しく記しています。
きちんと記されているのですが、論理的説明は、脳のシステム2が起動しないと理解できません。どの子もサッとシステム2を起動できればいいのですが、そもそもシステム2は怠け者で、普段は寝ています。結果として、ついていけない子が出てくることもあります。
でも、人間の脳にはシステム1もあります。感覚的にキャッチする脳です。このシステム1は常時働いているので、カマキリの登場を敏感にキャッチします。「なんでカマキリなんだ!」とか「こんなところにポツンとカマキリ」とか、その不自然さがシステム1を元気にします。
そうして、システム1がカマキリを一瞬のうちに受け入れると、システム2も内角の和が180°であることを把握し、理解が進みます。
こういった進化教育学の観点からの説明を付けて話していたので、櫻井先生の書いてくれたキャッチは、うまいなぁと感心しています。
その進化教育学ですが、この研究が進むと、いずれ教科書もシステム1にキャッチされる一工夫を加える時代が来るだろうと思えてきます。なぜなら、システム1、システム2の考え方が脳科学の研究の産物だからです。学ぶ側の子ども達の脳の働きを考えた記述にしていくと、それだけ理解が進みやすくなります。
今の教科書は算数の原理を忠実に守り、解りやすく示していますが、子どもの脳、とくにシステム1への刺激は未対応です。
こう言う所を教育学の学者が提案的に示していく日も、そう遠くないだろうと思っています。
「カマキリライダー180°」は、もう30年ぐらいは講座で話しています。
中身は全く進化していませんが、先生方に受け入れられています。
脳科学である進化心理学の研究に、見事にフィットしているからだと今は思っています。
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下の白い本にカマキリライダー180が載っています。
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