【横山験也のちょっと一休み】№.3795

今日も算数の話をしましょう。
2年生のひき算の筆算の話です。

2桁のひき算の筆算で、繰り下がりのあるひき算を学びます。

教室では、「13-8」と考えて、ひき算をしていきます。これが一番ポピュラーなやり方です。つまり、たいていの子にとって、わかりやすく、計算もしやすい方法ということです。

私もこの方法で子ども達に教えてきました。しかしながら、どうにもひき算がしっかりできない子がいるのも事実です。

そんな時、先生としてはどうしたらいいのでしょうか。基本は、その子がどう考えて計算しているかを聞いてみることです。
もし、13-8と考えて・・・などと、教えたとおりに話してくれたら、できてないところは、実際に「13-8」を計算するところとなります。「やり方は分かっているが、できない」という状態です。

もし、そういうお子さんがいたら、その子にとっては13から8を引くことは、数が大きすぎて、自分の頭では扱いきれなくなっているのかもしれません。PCがメモリー不足でフリーズするように、数が大きすぎると、「計算フリーズ」状態になり、計算をしようと思っても、それがうまくできないのです。

そこまでわかっても、「13-8」以外の方法を先生が知らないと、どうなるでしょう。「13ひく8は、5」と暗記させるかもしれません。うまくいけば、これもいいです。

こんな時、「13-8」の計算を学ぶ前の段階のやり方を思い出してもらえると、一つの計算方法を伝えることができます。
1年生の時に、13-8の計算の前段階として、3つの数の計算を学んでいます。
「10-8+3」です。
この考え方で3-8ができないときの計算を話してあげるのも、良い導きとなります。

・3から8は引けないね。
・となりの10から8を引いてしまおう。
・そこに、この3を足せばいいね。

このように、13には触れないで、計算を進めます。(もちろん、お金で考えさせるなど、具体物を使って話せたら、その方がいいです)

この方法の優れている所は、10本指の範囲で計算ができることです。
これは大きな特徴と言えます。

数を頭で操るとき、10までは比較的うまいことできます。両手の指で数と量を対応させることを、何度も何度も見てきているからです。13はその範疇を超えますが、10-8を行うやり方は、この10本指の範囲で計算できます。繰り下がりのあるひき算が、すべてこの10本指の範疇で扱えるのです。計算フリーズが起こりにくくなります。
そうして、慣れるにつれて、暗算で13-8ができるようになっていきます。

このやり方、大正7年の『尋常小学校に課すべき 暗算教材及教法の実際』(水上徳次郎著、大同館)にも載っています。昔からあるやり方なのだと確認できました。
この本には、この方法の他の方法も載っていて、この方法は一番末尾に紹介されています。まあ、一押しではないが、これもいい、という立ち位置です。それでも、本に紹介されているぐらいですから、大正時代の子どもたちの中には、この方法でぐいぐいと暗算をしていた子もいたのでしょう。

大事なことは、間違えてばかりいる状態から抜け出せるようにしてあげることです。


下は、算数の授業のアイディアを満載した、ちょっと面白い本です。
是非、お読みいただけたらと願っています。