人間回復の医学「チーム算数」を開催して,ありがたいなと思うことは,目の前に座っている城ヶ崎先生の姿勢がよいことです。
見ている自分の気分が良くなってきます。
自然,自分も良い姿勢で座っていたくなります。

今回,話題となった書籍に,右の『人間回復の医学』がありました。
この本の中には,立腰教育でも有名な森信三先生の写真が載っています。座卓を挟んで,池見先生と森先生が歓談している写真です。両先生とも正座です。

その写真を初めて見た時,私はとても感動しました。森先生の姿は,やや前屈みになっているのですが,その姿勢は立腰が保持されているのです。
さすが!と唸ったものです。

本文を読むと,次のように書かれています。
「当時,先生は八三歳でしたが,カクシャクとしておられ・・・(中略)・・・私の丸い背中に比べて先生の姿勢の良さが目立っています。」(p151)
お医者さんの池見先生が見ても,森信三先生の姿勢は素晴らしかったのです。

前屈みでも立腰が保持されているというのは,腰を軸にして上体を傾けているということです。立腰と似せて言うなら「軸腰」です。
軸腰が意識できると,授業中の姿勢は森信三先生スタイルになります。
良い姿勢が保持されやすくなるということです。

こういう話から,新年度は立腰の指導を学級開きに・・・という話題になりました。
新年度のスタート。
生活指導だけでも,教えたいことは山のようにあります。
でも,一度に全部を教えることはできません。
何を先に持ってくると良いのか,考える必要があります。

下駄箱の指導をいの一番に!と思う先生もいるかも知れません。
返事の指導を真っ先に!と思う先生もいると思います。
友達を大切に!が先だねと思う先生もいると思います。
いやいや大方全部まとめてだ!と考える先生もいるかと思います。

何を先にするかは,何が学級経営の軸になっているかという考えの表れです。
城ヶ崎先生と話したことは,「姿勢ですね!」でした。
姿勢の指導は,教わる本人そのもの持つ肉体への指導です。
同時に,精神力への指導にもなっています。
肉体を良くし,精神もたくましくする。
要するに,個を静的に強くする指導です。
これを教えると,「姿勢」という言葉が生き生きと活用できるようになります。

下駄箱にも良い姿勢があるんだよ。
返事にも良い姿勢があるんだよ。
こんな感じで,「姿勢」という言葉を比喩的に使うことができるからです。
自分の姿勢をコントロールし,次第に周辺のコントロールも・・・。
こういう姿はいいですね。
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