【横山験也のちょっと一休み】№.3761
先日、石巻で算数の話をしました。
その中に「そろばん」の話も少ししました。
今、私たちの計算などは、十進法で進められています。
1,2,3・・・とつづけて、9となり、その次のちょうど10個目で桁が一つ増えます。
10で次の位に進むので、十進法なのです。
でも、そろばんはそうはなっていません。
「五-二進法」なのです。
五進法をやって、二進法をやって。
これが繰り返されている道具なのです。
丁度、そろばんの1珠のところが五進法です。
1,2,3,4と続けて、5個目の5になったところで、上の五珠へ上がります。
ですので、1珠は五進法となっています。
では、五珠はと言うと、二進法です。デジタルのオン・オフと同じで、1までは良いのですが、つぎの2は、桁が一つ上がります。
そろばんは、このようにちょっと変わった数の体系を作っています。
そのそろばんで学んだ「五-二進法」は、その先の算数で力を発揮するかと言うと、残念ながら対応している内容がありません。
そろばんは数の体系が閉じられているのです。
このような話を砕けた感じで話していたら、親友の山中先生が「昔は五珠そろばんがあったのですが、どうして四珠になったのか」と質問をしてくれました。
この解答は知っていたので、即座に答えられたのですが、山中先生はいつも奥深く、さらに追加の質問がありました。
「五珠のそろばんも、五-二進法なのか」
この質問にはビックリしました。
基本的に五-二進法は保たれているのですが、五珠だと、一珠を5つ並べられるので、そのようにして「5」を表現したら、五進法が崩れます。
ついでに言うと、その昔には五珠が2つついているそろばんもありました。その場合は五珠を2つ置くことができるので、二進法の方も崩れます。
生活に便利なそろばんは、〇進法という概念にとらわれずに進化していることも感じ取れ、山中先生の質問は思わぬありがたさを持ちました。やっぱり、友達はいいですね。
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