仕事の関係でソフトを見る機会があります。見るたびに思うのは,自分で作っている算数ソフトが,「ただならぬレベルのソフトである」ということです。だから,ますます,自分がしっかりと作り続けなければならないのだ!と感じています。
  
  先月から,「もっと!算数」サイトをネットにオープンしました。
     http://www.mott3su.jp/
  まだ,アップされているソフトの数は少ないですが,精魂込めて作り込んでいます。
  作ると言っても,簡単に流れるように,パパッと作れるわけではありません。少し作っては,「これでは先生方が使いづらい!」と感じたら,作り直します。この作り直しが重なるので,時間がかかります。もちろん,プログラムが複雑になり,混乱して時間がかかることもあります。なかなか込み入った世界です。

  ソフトは作ってみないと,その操作性がつかめません。ですので,どのソフトを作るにも試行錯誤が生じます。
  これは,紙で算数の教材を作っているときと同じです。「これではイマイチだ!」と感じたとき,紙の教材でも作り直します。子どもたちに少しでも良い教材で授業をしてあげたいという,「教師の魂」が出てくるからです。
  それが,ソフトづくりでも自然に生じてきます。時間はどんどん過ぎていきます。

  ソフトの良さは,誰が何回使っても,壊れないことです。紙の手作り教材は味がありとてもよく,私もたっくさん作ってきました。でも,1回使った物をまた別の教室で・・とは,なかなかいきません。くしゃっとなったら,とてもダメで,作り直しとなります。ここが残念なところです。

  「紙の教材」と書いたので,昔作った教材を思い出しました。展開図用教材です。
  同じサイズの展開図を2つ作っておきます。一つを組み立てたら,1面にだけのりをつけ,もう1枚の展開図を貼り付けます。
  こうしておくと,組み立てた形と開いた形を同時に見ることが出来ます。
  
  授業では,ちょっと演出します。2枚重ねたままで展開図を見せます。ゆっくりと見せて,「では」とばかりに上にある1枚を組み立てます。すると,子どもたちから,「おー!」と声が上がります。紙が下からもう一枚出てくるとは思ってもいないからです。ちょっと,うれしい一瞬です。

  なぜ,2枚重ねることが大切なのか,おわかりですよね。「開いた形」「立体の形」の両方を同時に見ることによって,「開く」「組み立てる」という過程が見えやすくなるからです。
  「同時に見せる」という教材の考え方,ソフトでも生かされています。ソフトでは,たとえば重さや長さで,目盛りと数値を同時に見えるように作り込んでいます。「同時性」です。これが,理解を急速に促進させています。紙の教材の論理は,算数ソフトでも同様に作用しています。

  こういった紙の教材については,たくさんの先生方がご研究されています。ぜひ,算数の本を読んでみてください。算数は面白い教科なのです。
  私は,ソフト開発をしっかり頑張っていきたいと思っています。