【横山験也のちょっと一休み】№.2941

この本、特別支援のお子さんを指導している先生方にも好評です。

私も教師のスタートが特別支援学級だったので、その経験が掲載した教材に影響をしているのだろうと思います。

この本の中に、1年生向けの教材として「左パッチン」が載っています。
この「左パッチン」を使うと、不思議なのですが、「左!」というと、左手がすっくと上がるようになります。
「左パッチン」がどういう教材かわかると、アハハと笑って、「そんなの当たり前ジャン!」と言いたくなります。

「ひ」と書いた厚紙に輪ゴムを付けて、左手にはめます。
そして、その輪ゴムを引っ張って、離します!
パチン!と当たって少し痛いのですが、これが「左パッチン」なので、やるしかありません。
この時の痛みを伴う所がこの教材の大事なところです。
その痛みにこそ、「左」を体に染み込ませる作用があるのです。

ところで、左が分かると算数ができるようになるのかと言うと、それはあまり関係がありません。
たまたま、位置の表し方(座標の読み方)で「右から何番目」「左から何番目」という学習があるので右左を教えるのです。
ただ、位置の表し方は学年が進むと、原点からのメモリの読み方に切り替わります。ですので、右左が分からなくても、先々に何の問題もありません。

そうと分かっていても、「なんばんめ」の単元を教えている時には、右・左という表し方が重要となります。何番目かを数えることができても、その基準となるスタートが分からないと、正しい答えにたどり着けないからです。

若い頃の私にとって、左と言って思い出すのは、大相撲の横綱・輪島関の「黄金の左」です。
それと、子どもの頃に見たテレビまんが、スーパージェッター。左手にはめているアンテナ付き時計型無線機(?)に向かって言う、「流星号、応答せよ! 流星号、応答せよ!」です。

左にまつわる楽しい昔を思い出していたら、ふと、左パッチンが浮かんできて、教材にしたのですが、これも楽しかったです。
『「夢中で算数」をつくる教材アイディア集』は楽しい本です。

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