b8423

「人間の大きさは,一大事が起きたときに見える」と言いますが,鎌田校長先生の器の大きさに私が強く感じ入った話が,この『しごこちのいい学校』に載っています。
その中でも,とりわけ大きく感動したのは,突然降って湧いてた事件の話です。

「池田小学校の職員の不祥事(未成年者への買春・わいせつ行為)」が新聞沙汰 になりました。寝耳に水の大騒ぎだったと思います。
そんな中,鎌田校長先生が先生方に話したこと,2週間後に控えている公開研究 会を予定通りに行ったことなどの顛末がこの本に記されています。
そうして,事件後の保護者からの手紙。
学校長の模範的なあるべき姿がここからうかがい知ることが出来ます。

不祥事を本の中に赤裸々に公開する姿勢からも,鎌田校長先生の平素からの心構 えが伝わってきます。

私が高校生の時のことです。
同級生同士の大事件が起こりました。
学校には,連日,新聞や週刊誌の記者がたくさんやってくるほどの事件です。
登下校中の私たちにもマイクを向けてきます。
時代の違い,事件の違いもあったと思いますが,私たち生徒は何が起こったのか,しばらくは分からずにいたのです。それが憶測をどんどん広げてしまい,不安・不信がつのり,沈んだいやな雰囲気になったことを覚えています。

6月に大阪へ行きます。
その時には,鎌田校長先生を訪ねて,その人間性に触れさせていただきたいと思っています。
この本は,学校づくりをする管理職の先生方のみならず,日々子ども達に接する先生など,人づくりに関わる全ての方に読んでいただきたい一冊です。