今日(17日)は、山中伸之先生の『キーワードでひく 小学校通知表 所見辞典 道徳の評価 追補版』の発売日です。

これで来年度の通知表に危ういことを書いてしまうというミスがなくなりますね。

手元に、戦前の通知表があります。
当時は、通信簿と表記していました。
一つの連絡、通信だったのでしょう。

明治34年の通信簿には、欠席・遅刻・早退の理由を記す蘭がありました。休む日に、保護者が通信簿に日付と理由を書いて判を押します。
それから、学校に届けていたのでしょう。
こういった通信には、今は連絡帳などが使われています。

戦前の通信簿は、ご覧のように甲乙などを書くだけです。
大雑把というか、おおらかというか、これなら期末の事務処理も短時間で終わるでしょうね。

注意書きが記されています。

成績わ甲乙丙丁戊の五語で評します。戊は不成績 即 落第と御承知ください。

「不成績」という言葉に、驚きをもちます。
成績ではない状態があるのです。
それが不成績なのです。
ということは、成績というのは良い側に位置している概念となります。
気になるので、調べてみました。
「成就した功績」(日本国語大辞典)と出ています。
なるほどと、感心します。

明治時代の通知表と比べるまでもありませんが、今の通知表は親切になりました。
子どものことを考えて、よりよく伸びるようにと、受け持ちの先生がお言葉を書いています。
有り難く、何度も読み返す親御さんはたくさんいらっしゃることでしょう。
よりよい言葉を選んで、所見欄に書き表してほしいと願います。
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