【横山験也のちょっと一休み】№.2096

◆山中伸之先生のメルマガ◆
山中伸之先生は、なかなか面白いメルマガを発行しています。
「実感教育メルマガ」です。

今、「仕事のチョイ技」が連載されています。
今日はその79号。「思い切る」がテーマです。
読むと、毎度、「なるほど」と思います。

その後、「編集後記」となります。
昨日の編集後記に、クイズが出ていました。

コンビニのレジに並んでいた。
前から2番目になったとき、自分の後ろにおじさんが並んでいた。

隣のレジが開き、「2番目でお待ちの方、どうぞ」と声がかかったら、なんと、3番目のおじさんがススっと行ってしまった。

さて、その時、2番目で待っていた山中先生はどう思ったでしょうか。
というクイズです。
選択肢が5つありました。

(A)
おじさんを追いかけ、

「おい、おっさん。
2番目に並んでたのはオレだ。
あんたは向こうに並びな!」

とかっこよく声を掛けた。

(B)
おじさんの背中を見つめ

「え~、
おれが2番目なのに」

と寂しくつぶやいた。

(C)
おじさんの背中を
あっけにとられて見ていた。
開いた口が半開き。

(D)
おじさんを
にこにこと見送った。
バカ?

(E)
おじさんが
レジに向かったことに
そもそも気付かなかった。

何とも他愛のないクイズなのですが、少々面白かったので、すぐに(D)が正解と送信しました。
なぜ、少々面白いと思ったのか。
それは、それぞれの選択肢の背後に、道徳の存在を感じるからです。

(A)は正しい主張をしています。ですので、誰も反論できません。
しかしながら、主張してしまうと失うものもでてきます。
「大人げない」という言葉で表現されるように、自らの品格を下げることになります。

(B)は正しさを主張できない自分を情けなく思っています。
正しさと、主張する勇気。この2つが見えている状態です。
品格は見えていません。

(C)は正しさはわかっていますが、戸惑っています。この戸惑いがしばらく続いたのでしょう。心で戸惑いは自ら溶かしていくものという考えがなく、その術も持っていないのでしょう。

(D)は正しさもわかり、品格もわかっています。
その上、ここが重要です。
悪い出来事は自分を強くしていく格好の場だとわかっています。
善い悪いの関係が理解できているのです。
心が実に強いです。
だから、私は(D)を正解としました。

(E)は道徳から離れます。

こんな風なことが頭をよぎりました。
山中先生の切り口は実に素晴らしいです。
実力のある先生の考えることは、確かに違うと感じたクイズでした。

山中先生と言えば、『所見辞典』(さくら社)です。
通知表のシーズンがそろそろという先生、この本、本当にいいですよ。
道徳の評価も収録されているので、来年度も心強いですね。

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