タイトルに,「九九ボンバー!」と書いてあるので,なんだか楽しそうな雰囲気を感じます。
でも,これは,あまり楽しい資料ではありません。
九九の点検表なのです。

九九は,一斉に唱和して,何度も唱和して,さらに唱和して,歌も歌って,ノートにも書いて・・・と,何度も何度もみんなで反復練習をします。
それで,全員大丈夫だろうと思うと,チラリホラリと不正確な子が出てきます。
そこで,昔から一人一人の九九を聞いてあげる,「点検」が大切な指導とされています。

九九ボンバー!は,その点検表です。1人の子で1枚使います。
1つの段が全部あっていたら,先生は「ボンバー!」と喜びの声を上げます。先生が喜ぶのです。すると,子どもはなんだか嬉しい気分になってきます。人に喜んでもらうことは,自分にとっても嬉しいことなので,次の時も先生を喜ばせたいと思ってくれます。これが良い関係づくりにもなります。

時々,このシートをほしがる子が出てきます。そんなときは,1枚あげます。
また,表の中の数字がどういう意味か知りたがる子も出てきます。でも,これは教えません。じっと見ていると,九九の「きまり」が見えてくるからです。「きまり」に気づくことが算数の本質的な面白さです。自分で気がつくようにするために,教えないのです。

こういうチェックシートでは,ミスの多い子のシートにはたくさんの印がついていきます。それを見るとがっかりするのはその子です。ミスの印が増えたなと思ったら,「新しいのと交換しよう」と言って,シートを交換してあげます。

点検シート,皆さんも工夫して作ってみてください。
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『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』(さくら社)の2年1巻には,「かけ算九九」と「かけ算のきまりと九九表」が収録されています。これは,すごいですよ! ぜひ,授業で使ってみてください!!