【横山験也のちょっと一休み】№.3309
檜佐さんとのご縁で、思いもよらず『吾妻鏡』読書が始まりました。
新人物往来社から出ている『吾妻鏡』の訳注者貴志正造先生が、檜佐さんの大学の恩師で、この本の編集を檜佐さんもお手伝いをされたとのことです。
そういう話を聞くと、これも何かの御縁と思えてきて、注文しました。
届いて訳者序を読んだら、文章が滑らかで「これはいい文章を書く先生だ」と良い本に出合えた感が高まりました。
また、冒頭には「『吾妻鏡』は徳川家康の愛読書であった」とあり、そのような名作なら、自分にも惹かれるあれこれが書かれているだろうと期待値も上がりました。
実際、本文を読んでみると、形が日本書紀に似ていて、「確かに大昔の本を読んでいる」との気分になり、ありがたいことに知らない言葉が1ページに複数出てきます。
気になる言葉は調べ脇に補注として書き込み、面白そうなフレーズには付箋も貼って楽しんでいます。
意外と感じたのは、放火されているかどうを確かめるために、部下を木に登らせ、煙の有無を見させています。これは家が密集していたり、高い塀が続いていて、空が大きく広がっていない場所での取り組みです。
小学校の教科書に出てくる鎌倉時代の武家集落のイラストは田んぼだらけで、煙が上がっているかどうかは、木に登るほどのこともなかろうと思えます。
このずれは何だろうと思っていると、ハタと、「京都でのできごとかも」と場所関係をよく理解できずに読んでいる自分がおかしく、これも楽しいです。
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