明日は小石川大神宮で「お行儀」の話をしてきます。
その準備が終わったので,算数について,あれこれ考えていました。

b8295今回は,「漢数字」について,考えました。
小学校3年生になると,漢数字も勉強します。
「二百四十六」を見て,算用数字に直す勉強もあれば,その逆も勉強します。

「二百四十六」も「246」も,どちらも,「ニヒャク ヨンジュウ ロク」と読むのですが,漢数字には,「百」「十」と,特別な数字が用いられています。
ところが,算用数字は,そのような特別な数字を用いずに,表しています。

このちょっとした差を,簡単に通過できる子もいますが,気になる子には,気になります。

そういう時には,「算用数字は重なっている」(数の重層構造)と考えて,その重なりをずらして見せるようにします。ちょうど,下の画面のように。
これを見ると,漢数字と算用数字の構造(しくみ)が同じなんだと,すぐにわかります。
見てすぐにわかる状態を作れたら,算数はかなり着実に進みます。
ここが出来ないと,何人かに躓きを体験させることになります。

ところで,漢数字ですが,皆さんもご存じの通り,中国生まれです。
2500年ほど昔の書物にも,漢数字が出てきているので,かなりの歴史があります。
この漢数字に,「二四六」という表し方もあることを皆さん,ご存じですよね。
小学校の算数では,この書き方を教えないのですが,これって,教えなくていいのでしょうか。

その「二四六」という書き方ですが,案外歴史は浅く,三百年ほど前に出来たとされています。
梅文鼎という人が『筆算』を著し,そこで使われたのが初めだそうです。
2500年以上も昔に,「二百四十六」という表記が使われ,その改良型が出たのが1693年です。
長い間,「二百四十六」をもっと簡略して書こうという気持ちになった数学者がいなかったのですね。

「二百四十六」を「二四六」と著すことが,単なる簡略ととらえていいかというと,そうもいきそうにありません。
なぜなら,「二四六」には,「位取り」の意識があるからです。
「二百四十六」は,ちょっと間違えて,「四十 二百 六」と書いたとしても,それなりに246だとわかります。
しかし,「二四六」は,そうはいきません。順番通りに書かないと,意味が通じません。
「数字を配置した位置に意味を持たせる」という約束の上で成り立っている形式なのです。
インドの位取りが輸入され,そこからヒントを得たのだとは思いますが,それでも,漢字表記の数表現に位取りを導入したのは,画期的なことです。

こんな風に考えると,「二百四十六」を「246」と書く勉強は,質の違う表し方で表記する学習なのだとわかります。
「算用数字は重なっている」と考える思考は,この質の違いを結びつける働きをしてます。