【横山験也のちょっと一休み】№.2637

■ 児玉幸子展「眩惑について」&カロリーナ・セカさん ■

テレビ東京の桔梗氏の誘いで、児玉幸子展「眩惑について」を見学してきました。
展示されている作品の数は少ないのですが、それが実に驚きの作品です。

芸術作品であるのに、鑑賞するという感覚になかなかなれません。
頭の中で「どうなっているんだ????」が走り続けます。

展覧会の初日だったので、作者の児玉さんが会場にいました。
無作法にも、質問をさせていただきました。
すると、どの質問にも笑顔で私にわかるように話してくれました。

この「私にわかるように」と書くのは、児玉さんの作品が物理学の研究をすることで生まれてきた科学芸術作品だからです。

カロリーナ・セカさん、 横山、 児玉幸子さん

縞模様の容器の上部に、黒い液体が入っていて、その中央に円錐形の物体があります。
黒い液体はドロッとして見えるのですが、実はサラッとしているそうで、中にナノ単位の蹉跌が均等に入っています。
ナノ単位なので、液体に触れると指に砂鉄が浸透するそうです。
円錐形の物体には、プログラムされた地場が生成され、液体が実に奇妙な動きを始めます。
こういった内容を専門的に話されてしまうと、聞いている私が参ってしまいます。
俗人にもわかるように、気を使って話してくれていました。

磁場が発生すると、黒い液体は円錐にヘビが巻き付くように、下から上へと回りつつ昇っていきます。床屋のグルグル回るあれのような感じで、下から上へと・・・
驚くのは、上昇しながら、液体に無数の小さな円錐が角のように発生し、次第に大きくなっていきます。
大きくなると、角からステゴザウルスの背中の??のように変形します。

何度も何度も見てしまい、それでも不思議は一つも解消されず、聞けば聞くほど、不思議さが増していく奇妙な感覚になる芸術品です。

この作品は、物理の大切なところを扱っている芸術作品なので、来年の東京書籍の中学の理科の教科書に載るそうです。
こういう科学芸術作品を見て、科学に興味を持つ生徒さんが増えてくれたらいいなぁと思いました。

児玉幸子展「眩惑について」は、下記で開催されています。
お近くの理科好きの先生には、ぜひ、見ていただきたい芸術品です。

会期:2019年10月7日~11月1日、11:00 ? 18:00 (土・日・祝日休み)
会場:東京パブリッシングハウス
東京都港区海岸1-15-1 電話 03 5472 0370


ところで、写真に写っているカロリーナさん、この方も芸術家なのです。
灰を扱ったアートの先駆者です。
日本に来て8年目なのですが、日本語が実に上手です。
才覚の高い方で、すでに、読売新聞のweb版の「美術展ナビ」に「スペイン人の目、驚きの日本」を毎月連載しています。
第1回が「類いまれな芸術環境の日本」
第2回が「芸術家・児玉幸子」
第3回が「生態系の表現者・鴻池朋子」
芸術が好きな方は、ぜひ、このサイトを読んでみてください。
日本の最先端の芸術家が紹介されています。

このサイトに、カロリーナさんの紹介文が載っています。
引用します。
「スペインに生まれ、同国内のサラマンカ大学で美術史を専攻し、美術史研究者、芸術家として日本で活動するカロリーナ・セカさん。日本人が気づかない視点で、日本の美術、文学、建築などで感じたことを語るコラム「スペイン人の目、驚きの日本」をお届けしています。」

幸運に恵まれ、桔梗さんとカロリーナさんとの夕飯に御一緒させていただきました。
いろいろと歓談させていただいたのですが、カロリーナさんが驚きの話題を振ってきました。
清少納言です!
まさか、スペインの人と清少納言の話をするとは思ってもいませんでした。
カロリーナさん曰く、屈託なく書いているのがとても良いとのことです。
その話を聞きながら、「ああ、そう読むか」と、その視点が面白く、ちょっと頭の中で枕草子がグルグルしました。
『枕草子』とか『源氏物語』は定番の古典ですので、とりあえずは読んでいますが、古典=名著=大切・・・などと歴史的な重みの共同幻想と共に読んでいたのかもしれないと、カロリーナさんの言葉から感じました。

物の本で読みましたが、海外の一流の人は教養があると。
カロリーナさんとの会話で、それを実感しました。

児玉幸子さん、カロリーナ・セカさんという二人の芸術家の方と歓談でき、とても充実した一日になりました。
桔梗さんに感謝です!

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