三角定規に穴が空いています。
この穴,一体なんのために空いているのでしょう。

答えは,とっても簡単です。
定規で直線を引くときに,ズルッとしないようにするための配慮として空いているのです。

これでは,よく分かりませんね。
定規で線を引くとき,定規がずれると,直線がズルッとなってしまいます。
それを防ぐために,この穴に,どれかの指が入るようにして定規を押さえます。
すると,紙と定規を同時に押さえることができるので,ズルッとしにくくなるのです。

定規で直線を引くときの定規の押さえ方の基本は,次の3つです。

1) 紙を押さえる
2) 定規を押さえる
3) 紙と定規を同時に押さえる

この(3)を簡単にできるようにしたのが,三角定規の穴なのです。
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では,普通の定規には穴がありません。
30cmの竹尺や,20cmぐらいのプラスチックの定規には,三角定規のような穴が空いていません。
なぜ,でしょう。
定規を押さえるとき,自然に,定規からはみ出す指があるからです。
はみ出す指で定規と紙を同時に押さえられるので,特に穴が無くても大丈夫なのです。
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「紙と定規を同時に押さえる」
この1点の指導をするのに,三角定規がうってつけなのです。
何しろ,この穴,鉛筆を入れてクルクル回すためにあるとも思えてしまう,楽しい穴だからです。