【横山験也のちょっと一休み】№.3465


数字を使った黄色い道の迷路です。

幼稚園の頃に、知能テストのようなものがあり、今もかすかに覚えているのは横に長い迷路を途中までしかできなかった記憶です。

テストが終わり、部屋にお母さんたちが入ってくると、「迷路ができる子は、先を見る力があるんですってよ」と聞こえてきて、「ほら、〇〇ちゃんは先を見る力があるんだわ」と頭の上の方で声がしています。

子どもとは言え、聞こえてくる「めいろ」ぐらいは分かります。「どうやら一番肝心なのは迷路なんだ」と察してしまい、バツの悪い気分になりました。目の前に置いてあるテストには、鉛筆の線が迷路の半分ぐらいの所で途切れているからです。

まあ、私には先を見る力があまりなかったようです。迷路の場合の先を見る力は、「ゴールを見て取り組む」ということなので、「ゴールはあそこだから、そっちに向かっていけば、大筋間違いない」という見通しで鉛筆を進めればよかったのですが、私の場合、目先だけの判断で進めていたのでしょうね。

ところが、教師になり、雑誌などに原稿を書くようにもなり、幼児向けの迷路を作ったりするようになると、迷路の見方が変わります。ゴールを見て取り組むのはお見通しで、その上で、「迷路は迷い路、迷わせてこその迷路」と思って、迷路を作ります。そういう迷路を何度も作っていると、次第にわかってきました。迷路と先を見る力はあまり関係がないと。それより、「あっ!」「しまった!」と思いつつ、ゴールにたどり着いて「やったー!」と楽しむこと、そのついでにちょっと算数などが学べたらそれでいいのではないと思うようになりました。

とは書いたものの、今回の迷路は迷いたくても迷えないほど簡単です。しかも、数字を正しくなぞることとも少し離れています。ですが、「数が迷路になっている」と、そういう組み合わせの妙を楽しんでくれると、何かアイディアを出さないといけない場面で、ちょっと突飛なアイディアを出せる子になるような気がしています。

迷路は載っていませんが、算数の授業で使えるアイディアが『「夢中で算数」をつくる授業アイディア集』に、たくさん載っています。
好評で、第2集まで発売されています。
嬉しいことに、今年の4月か5月ごろには、待望の第3集が出る予定です。
第3集はかなり面白い算数のアイディアが満載です。ご期待いただけたらと願っています。


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