【横山験也のちょっと一休み】№.3609

テレビで時代劇を見ると、時折「丁半ばくち」のシーンが出てきます。
2つのサイコロを壺に入れてから振り、偶数が出たら丁、奇数が出たら半、となるわけです。

丁の出る確率も半の出る確率も、どちらも同じと思い込んでいるのが現代人ですが、江戸時代に賭場に行っていた人たちはちょっと違う思い込みをしていました。
「丁が有利」と思っていたのです。

半は奇数ですので、2個のサイコロで出る半は
3,5,7,9,11の5通りです。

丁は偶数ですので、2個のサイコロでは
2,4,6,8,10,12の6通りが出ます。

5通りと6通りですから、特に考えるまでもなく偶数の丁が有利です。

この5通りや6通りは、2個のサイコロの目の合計が奇数になるか偶数になるか、その結果の全状況を数で示しているのですから、これも立派な統計です。
実際に賭場で同じぐらいの割合で丁半が出ているという体験をしていても、こういう頭を使った統計データを示されると、つい「確かに丁が出やすい」「これからは丁だ!」と思ってしまいます。

ここまでを確率を習わない小学生に話すと、どうなるでしょう。江戸時代の人になってしまうのです。そうして、実際にサイコロを振って丁か半かとやってみると、丁と言う子が多くなります。中には、裏を読んで半という子も結構いますが。裏を読もうが、データを信じようが、そのこととはかかわりなく、丁になる確率、半になる確率は影響をうけません。

昔の算数では簡単な確率も教えていたので、ちょっと遊んだ後に、それぞれの合計になるサイコロの目の組み合わせを抽出させると、「なあんだ」となります。最初に思っていた通りの現代人に戻ってきます。

今の小学校では組合せまでしか学びませんが、余力のある時に、こんな話をして、データが出てきたときには、「ちょっと待てよ」と少し頭をひねってみることも大切だねとか、すぐ信じると江戸時代の人になっちゃうよとか、そんな話をしてみるのもいいですね。
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下の3冊の本には丁半の話は載っていませんが、算数のアイディアがあれこれたくさん載っています。小学校の先生向けの本です。