【横山験也のちょっと一休み】№.3619

「算数の授業話」を一つ。

2年生になると、たし算とひき算の「筆算」を学習します。俗に「縦の式」ともいわれています。
この筆算の指導を行ったら、ぜひ、取り組んでみてはと思うのが、「エレベーター計算」です。

左の図のような筆算です。8+8+8+・・・と8を10個たす計算です。10個たすのですから、「+8」を9回やることになります。

1桁の数でも、9回も筆算をするとなると、結構時間がかかります。
時間をかけてやり終えた筆算。
それを先生に見せると、なんと、先生は即座に「全部あっています」とか「残念、ミスがあります」などと判定するので、「先生、すごい!」と感じる子も出てきます。

子ども達はかけ算を学んでいないので、どこでどう計算ミスをしたかはなかなか見つけ出せません。でも、先生は熟知しています。最後の答えが、元の数の10倍になっていれば、全部あっていると判断するわけです。違っていたら、どこかにミスがあると分かります。そのミスの場所も、チラチラ見るとすぐにわかります。

「先生、すご~い」と思った子も、何回かやっていると最後の答えがどうなるか、うすうす気づいてきます。いつも最後が何十になっているからです。

このエレベーター計算は、かけ算の指導が終わった後にもちょっとだけやってみると楽しいです。子ども達は九九を学んでいるので、九九の答えが並んでいることに気づき、たし算の大変さもわかり、かけ算のありがたさも感じます。算数を学ぶ楽しさをちょっと伝えることができます。

このエレベーター計算は岸本裕史先生の本で知りました。他にもいろいろと紹介されていて、それがきっかけで、戦前の算術時代の計算練習のあれこれを知ることができました。岸本先生は戦前の計算練習を戦後につなげた先生です。また、こういう単純な計算に取り組むことで、鉛筆を持って勉強をする習慣を身に付けさせ、また、集中力も高まるようにと取り組んでいました。立派な先生です。

下の3冊には、エレベーター計算は載っていませんが、愉快な算数のアイディア教材がたくさん載っています。小学校の先生、ぜひ、お読みください。