昨年の11月にPHPから出した作法書。
『恥をかかない! 小学生の行儀作法』が3月に2刷りになると連絡が来ました。
私にとって3作目になる本で,親子向けに良い感じでまとめられています。

世の中に行儀作法が行き届いていたら,この本はいらないのですが,昨今の子ども達,残念ながら行儀がチト悪いです。
それを「何とかしたい!」と思う方々が,この本を買って下さっているようです。
お役に立てて,有り難いと思います。
(この本は生協のチラシからの購入となります。PHPのホームページ でも扱っています。書店への注文もOKです。amazonnでは扱っていません)

作法と似ているのに,道徳があります。
道徳は,頭や心に直接働きかける勉強です。
作法は,まず体に働きかけ,それから頭や心に染みこませていく勉強です。

「所作」や「身なり」を整えると,自然と心や精神も次第にしっかりしてきます。
そうして内なる心がしっかりしてくると,それが外に資質として見え始めてきます。
「 内は外を資け、外は内を養う」(伊藤仁斎)です。

ですので,昔は1年生2年生と小さい子には作法をしっかり学ばせ,外から内を養っていました。
それから,心に直接働きかける道徳が行われ,資質の高い人へと歩ませました。

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最近の道徳は,よく考えさせています。
考えて自分で判断していきます。

お稽古事の経験のある方でしたら,自分で判断することは入門初期の指導ではないことが了解できると思います。
まずは,形を教え,形に慣れさせます。それから自分で判断となります。

作法は,道徳と違い形があるので,入門期に考えさせてもあまり効果がありません。
それより,「椅子に座って何もしていないときの手はこうしているのです」とまず形を教えます。
それを実際にやってみて,その効能を感じるようにします。
しかる後に,異なる場面となります。
この時,基本はこうだけど,ここはこういう環境なので・・・と自分で考え判断します。
その時の考え方が,「天地人(古い言い方をすると,時処位)」です。
天地人の三つを貫いて考え判断するのが,人の道の王道なのです。

道徳の授業に作法は必須です。今の道徳は内面に偏りすぎています。