2021年11月06日(土)23:19:38

図形の名称の不思議

【横山験也のちょっと一休み】№.3192

今日も新しいパソコンで快調に仕事ができました。
win11になった良さは全くわからないのですが、「いよーっ!」の算数ソフトが快調に動いているので、いい気分です。

図形の学習で三角形、正方形、長方形、平行四辺形、ひし形、台形を学びます。
この形の名称を見比べていると、どうにも奇妙な気分になってきます。

1つは、「角形」と「方形」と「辺形」と、3つの言い回しがあることです。
どちらかというと、例外を作らない世界を構築しているのが算数と思っているので、「どうして一貫性を持たせなかったのだろうか」と不思議な気分になってきます。
すべてを「角形」にすると、三角形、正角形、長角形、平行四角形、?、?となります。正角形では、角が直角になった形という印象になり、正方形とはかぎらなくなりますし、長角形では角が長くなり意味を保てません。
すべてを「角形」とするのは、塩梅が悪いです。
ではと、「辺形」にすると、三辺形、正辺形、長辺形、平行四辺形、?、?となります。正辺形はひし形もその部類と感じ取れてうまくありません。
最後に「方形」にしてみると、三方形、正方形、長方形、平行四方形、?、?となります。少しはいいかなと思いますが、三方形が矛盾を含むことになります。方形は、その意味が四角なので、「三方形=三四角」となってしまいます。算数としては受け入れられませんね。

3つの言い回しも気になるのですが、もう一つ、不思議と感じることが浮かんできます。
三角形、正方形、長方形、平行四辺形は、図形の持つ性質に着目をしている言葉です。角が3つあるから、方形(四角)がきちんとしているから、方形(四角)が長いから、平行な辺があるから。
これに対して、ひし形、台形は似ている物で言い表した言葉になっています。ひし形は漢字で書くと「菱形」です。この菱は、植物の菱のことで、菱の実の形に似ているので、ひし形と呼ばれています。「台形」は台に似ている言葉ですし、戦前までは「梯形(ていけい)」と呼ばれ、梯ははしごのことです。植木職人の使う下が広く上が狭いはしごの形に似ている図形なので、梯形と呼ばれていました。
そういう比喩としての言葉なので、先ほどの「方形」「角形」「辺形」に変更してみようと思っても、名称の成り立ちが図形の性質では無いので、うまく変換できなかったのです。
このあたりのことは、戦前の辞書などを開いて少し調べるだけでも、楽しいものがあります。

こういう疑問は何も載っていませんが、算数の授業が楽しくなるアイディアが下の2冊の本に、たくさん紹介されています。
この本に登場するネコちゃん、可愛いです。


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