【横山験也のちょっと一休み】№.3424

眉間にしわを寄せてしかめっ面をしているより、目を細めてにこにこしている方がいいですね。

しかめるを漢字で書くと「顰める」となり、漢字がまるで「卑しいですよ。あなたの今のその顔、卑しいですよ。」と言っているように感じられます。また、もう一つ、しかめるは「蹙める」とも書きます。「顰」と「蹙」をつなげると、「顰蹙(ひんしゅく)」となり、卑しいだけでなく、「あんたね、その顔つき、顰蹙ものだよ!」となってしまいます。
しかめっ面はしたくないですね。

にこにこを漢字で書くとどうなるのかと調べてみたのですが、こちらは漢字としては出ていませんでした。でも、語源として「ニコニコ(和々)の義」とあり、私がにこにことなりました。にこにこの大元には和があるのだと伝わってきたからです。嬉しい話が舞い込んできたとき、にこにこしてしまうのは、そこに和が生まれているからとも思えてきます。

大漢和辞典を開いてみたら、「和和」という言葉が載っており、その昔の中国の文献に「口を拍って和和声を作る」と出ていることがわかりました。ああ~と言いながら口をポンポンたたくと、不思議なことに「わわわ・・」と聞こえてくるので、その声を作るという文です。これと同じようなことを、日本では小さい子をあやす時に行っているとあり、和和の声は日本では、昔からずっと、ぐずっている子をにこにこにする魔法の声だったのです。
にこにこしていると不思議と良いこととよく出合うのは、和和の声と似てよい出会いを招き寄せる魔法の顔「和和の顔」だからですね。

「にこにこ」で思い出すのは、かけ算九九のまとめの頃の九九の言葉遊びです。「ごみを拾いました。何個拾いましたか(15個)」「いちごがあります。何個ありますか(5個)」「くしで髪の毛をとかしました。何回とかしましたか(36回)」といった語呂合わせの九九遊びです。楽しく遊べるので、苦手な九九でつくってみると、遊びながら覚えてしまう不思議な効果もあります。
「にこにこしました。何分にこにこしていましたか」
「にこ」が「にご」に通じ10となり、それが2つ続いているので、2×5+2×5=20で20分となります。
「にこにこ20分」そんな風に思いながら時を過ごすのも楽しそうです。

この本には「にこにこ」は出てきませんが、にこにこになる楽しい本です。


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