【横山験也のちょっと一休み】№.2402

■「ブランコ乗りとピエロ」の王様が実にいい!■
道徳の教材の話です。
「ブランコ乗りとピエロ」に王様が出てくるのですが、この王様は素晴らしいですね。
という話です。

その前に、いつも気になるのですが、「ブランコ」は平仮名で書いた方がいいですね。
小学校の国語で片仮名で書く言葉を教えていますが、そこに「ぶらんこ」は該当しません。
小学校では平仮名なのだと思えてきます。
使っているジャパンナレッジでも、該当する10の辞書ですべてが平仮名でした。
通常でも平仮名で書く言葉なのだとなります。
そこを片仮名で書くのですから、少々挑戦的な教材と思えてきます。

それはそれとして、この話にはブランコ乗りとピエロが主役級で出てきます。
両人の言動から謙虚や寛容を学ぶ方向性が示されているので、ちょこっと出てくる王様にはほとんど目がいきません。
でも、私にはこの王様が実に輝いて見えます。

何が素晴らしいかと言うと、最後に次のように書いてあります。
「全てを終えたひかえ室は、団員たちの明るい笑顔に包まれていた。そこには、大王アレキスから届けられた料理とシャンペンが、所せましと並べられていた。」

サーカス一座の一か月にわたる興行に感謝し、その労をねぎらってくれたのです。
その計らいをしてくださったのは、その国で一番の高位に座している大王です。
「さすがだなぁ」と仰ぐ気持ちになります。

こういう気持ちが分かる人に育てるのも道徳の役割と思います。
そうして、大王とまではいかなくても、それなりの地位役職につくようになったら、大王のように頑張ってくれた人たちの労をねぎらえる人になってほしいと願います。

教材の中には、こうした目立たない隠れた所にも道徳があるので、そこも道徳としてふうっと風のように伝えたいですね。
隠れた道徳のことを「陰徳」と呼びたいのですが、すでに固定した意味を持っているので、勝手に使うことはできません。
「隠れ道徳」ととりあえず呼んでいます。

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