【横山験也のちょっと一休み】№.2805

「漢字の道徳読み」の基本中の基本と言えば、「姿勢」ですね。

黒板に大きめに「姿勢」と書いて、子ども達をじっと見ます。

勘のいい子は、これだけで姿勢がグッとよくなります。
それを見てニッコリするだけで、十分な良い導きとなります。

この熟語を見ると、自然と「シセイ」と読んでしまいます。
それ以外の読みは、ふつうは頭に浮かびません。
ですので、あえて訓読みを尋ねます。

「姿」の訓読みも、「勢」の訓読みも、小学校で習いますので知っている子がすぐに答えてくれます。

「シセイ」
「すがた」「いきおい」

黒板に、音読み、訓読みが並びました。
ああ、軽く一言言ってみたくなります。
「今、あなたの姿に勢いがありますか」などと。

これが、実は「道徳読み作文」につながります。
熟語に加えて、普段気が付かない訓読みを見ると、頭の中が動き出します。
「姿勢」「シセイ」「すがた」「いきおい」とバラバラになっているのが気になり、「意味が通じるように、組み立てたい!」と頭が勝手に動き出す感じです。
そうして、それなりに意味が通ってくると「わかった!」というような感激が湧いてきて、思わず一言言ってみたくなるわけす。

ですので、一言いいたくなってきた気配を感じたら、それをちょこっと文に書かせてみましょう。
すると、それが「道徳読み作文」となります。

道徳の作文ですから、長さは関係ありません。
1文でもOKです。
文のうまい下手も関係ありません。
大事なことは、自分で道徳について書くという取り組み自体にあります。

姿勢の話を自分で書くことにより、自分の考え方、自分の思いとして姿勢が自分の中に残ってくれます。
表出は、同時に内を養ってくれ、少しですが、良い道徳の蓄積がなされていきます。