【横山験也のちょっと一休み】№.3816
朝から地震のニュースが続きました。
新卒の頃、大きめの地震があると、先輩の先生が学生時代の話をよくしてくれました。信州で群発地震があり、その時の経験から、「縦揺れが来たら逃げろ。横揺れが来たらマージャンを続けろ」というような話です。のどかな学生時代だったように思いますが、この言葉は印象深く私に残っています。
今の時代は縦揺れ横揺れだけでは判断できないところもありますが、これを知った私は縦揺れに敏感になりました。
この先輩の話は、地震対応の一つのコツです。
今日は、この「コツ」について、少しお話をしましょう。
コツというと、読書のコツとか長距離走のコツなどいろいろとあります。たいていの場合は、少ない労力で、労力以上の成果を上げるといった、ちょっと調子のいい方法とも感じられてきます。
悪く言えば「小細工」とか「抜け道」みたいな感じにもなってきます。
この「コツ」は、教室での指導では「教育技術」と呼ばれ「技術」という言葉で表現されています。同じようなことでも「技術」と示されると、なんだか格調高く、しっかりした事柄と感じられ、私も「技術」という言葉をよく使っていました。
昭和15年に発行された教育書を読んでいたら、次の小見出しが出てきました。
「話し方を躾ける骨」
おやっと思い、「コツ」は「骨」と書くのかどうか、手元の漢和辞典で調べたら、漢和大辞典に
「こつ。物事をうまくやるための、やり方のたいせつな点。要領。」用例も出ていました。「骨をのみこむ」
確かに「コツ」は「骨」と書くのです。
昔の先生は「コツ」を「骨」と書いていたのです。
コツを「骨」と表現すると、響きが変わってきます。
何しろ「ほね」ですから、先ほどの軽薄な方向とは真逆の、何か重要なことのためにやっているのが「コツ」と伝わってきます。
その重要なことという響きがが、これまで私が使ってきた「コツ」とか「技術」という言葉からは感じ取れません。
「骨」と表すと、そこに何か重要なのことがあり、それへ向かっての「コツ」であり「技術」であるとわかってきます。
では、その「コツ」というのはどうやって生まれてきたかを考えると、先達の繰り返しの経験による成果です。余計なところを削り取って、もうこれ以上削ってはいけないというところ、これこそが重要という点を示しているのが「コツ」です。
辞書にもある「大切な点」というのは、削るところを削った残りという意味です。「大切」は「いらないところを大きく切る」ことなのです。
体の中で骨と言ったら一番の中心です。「肉を切らせて骨を断つ」と言われるように、肉より重要なのが骨です。
ですので、コツを「骨」とかくと、「コツ」+「ほね」という図式が感じられてきます。
その技術を単なるハウツーととらえず、それがどういう重要な事柄のためになっているのか、そこを自然と考えたくなります。
先の地震では、縦揺れの「骨」は命を守るためです。だから安全な場所に逃げるのです。
この「ほね」に関わるところを意識しつつ、教育の「技術」や「コツ」を読むようにしていくのもいい修養になります。
コツは「骨」なのです。
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こういう読み方、大人の「道徳読み」と思っています。
道徳の授業にお悩みの先生、『道徳読み』をおすすめします。

