【横山験也のちょっと一休み】№.2207

前田康裕先生の『まんがで知る教師の学び3』刊行記念のセミナーが、大阪(4月7日)東京(5月19日)で開催されます。
東京セミナーに私も参加します。
関心のある先生、ぜひ、足を運ばれてみてください。

■ルワンダの2年生の算数■
アフリカにルワンダという国があります。
この国の算数教育に関わっているのですが、ところ変われば品変わるで、実に面白く、勉強になっています。

下は、ルワンダの2年生の教室の黒板に書かれていた式です。
この計算、皆さん、理解できますか。
1H20 + 801T = 120
こんな風に見えるのですが、これは間違いです。

実は、下のように書いてあります。
1H2O + 81T = 120

青の部分、数の「ゼロ」ではなく、アルファベットの「オー」なのです。
それでも、この式が何なのか、分かりにくいです。

もう少し、分かりやすくしましょう。

HO + 8 = 120
赤文字のところはアルファベットです。

ここまで記しても、この式がなんのことかよくわからないと思います。
日本語風に書き直すと、次のようになります。
+ 8 = 120

Hはhundres(百)
Tはtens(十)
Oはones(一)
を表わしています。

ですので、上の式は次のように言い表すことができます。
(百が1個と一が2個)+(一が8個と十が1個) = 120

「百十一」の順に並んでいない式なのです。
なんとも、おかしな感じです。

こういう出題を見ると、ひっ算用の枠を作りたくなります。
この枠の中に、1・2・8・1をどう入れていくのか、考えてもらいます。
4つの数を全部入れると、空のマスがでてきます。そこを「空位(くうい)」ということを教え、「0」を入れる約束になっていることを伝えたくなります。

日本の教科書には出てこない出題を見るのも、頭の体操になって楽しいものがあります。

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