【横山験也のちょっと一休み】№.3296

いつものジョナサンで、城ケ崎先生、佐々木先生と楽しく歓談しました。

前日がSG会の開催日ですので、スタートはたいていSG会の話題になっています。
明石先生の大学の入学式の式辞をSG会で読むことができ、それが実にありがたかったと、話が弾みました。
普通にサークル活動をしているだけでは、こういうありがたいことは起こりません。SG会に参加していて、良かったです。

その後、国語と算数で大いに盛り上がりました。

国語は、中学の教科書に出ている「朝のリレー」(谷川俊太郎)であれこれ話が進みました。
この詩が中学の教科書に載っていることを、鍛国研のFBグループで柳谷先生から教えていただき、良い詩だと詩に浸ることができました。

面白いことに、詩の中にある「この地球」の「この」が何を指しているかが、柳谷先生と私とで違っていました。
おかげで、私は「この」についていろいろと考えることができ、充実したひと時を過ごせました。
「この」が何を指すかは、「この」をどう感じるかという、感じ方の違いが根底にあります。そこは感じ方ですので、人それぞれ違いがあって普通です。
城ケ崎先生や佐々木先生は、「この」をどうとらえるか、柳谷先生や私とは、また微妙に違うとらえ方をするかもしれないと思い、詩を読んで話してもらいました。
二人とも、私との付き合いが長いからか、私とほぼ同じでした。
詩の中には書かれていないというところが、ジョナサンの3人には共通していました。

面白かったのは、詩の中に示されていない別の例が出てきたことです。
「この道はいつか来た道」とはじまる北原白秋の詩「この道」。
いきなり「この道」となっているので、「この」がどこを指しているのかを詩の中の言葉からは見つけることができません。

こんなことをあれこれ話しながら、詩は言葉の使い方の見事さ、読むことで感じる世界のミラクルさ。読むことで浸れる面白さ、こういうのを体験して楽しめるようになると、もっと詩を読みたくなるだろうなと思います。
その時、自分の感じ方と違う人がいてくれると、それが刺激になって、自分でももう少し考えてみたいとなります。

算数では、佐々木先生が実に愉快な話題を提供してくれました。
「1人に3個ずつ、5人にりんごを配ったら、りんごは全部で何個必要ですか」という問題に、
3×5=15 と答えたら、〇になるが、
5×3=15 と答えたら、どうしますか。
という話題です。

習ったことが身についているかどうかを見るのでしたら、
5×3=15 とは教えていないので、×になります。
ですが、SNSでは、そういう限定がありません。交換法則があるので、〇ではないかとなります。
こういう、これまで考えてもいなかった意見を知ることは、とてもありがたいことです。
ちょっと、考えてみようと、自分の頭がすすむからです。

教育は子どもがもっと勉強したいという方向に導くことが肝要です。交換法則はすぐに習います。
さすれば、対応は見えてきます。
ニコッとして、「おおすごい、これは3年生で習う考えになっているよ。よく知ってたね」とほめて、交換法則を話してあげればいいのです。
何の考えもなく、5×3=15と書いた子でも、ほめられて「交換法則」と聞くと、「交換法則というのがあるのか」と印象深く頭に入っていきます。
そのうえで、今は・・・と、3個×5=15個という単位をつけた文法的なことを示してあげるのが、良い対応と思います。

時間があったら、どうして「5×3=15」と書いたかと聞いてみるのもいいですが、テストなどで翌日になってしまっていら、たいていは思い出せません。追い詰められた気持ちになったら、ちょっとイマイチにもなります。

式をどう扱うかは面白い問題で、平行四辺形の面積だったら、どうなるかと考えることができます。
(上底+下底)×高さ÷2 で式を書くのですが、平行四辺形を逆さにすると、上底と下底が入れ替わってしまいます。
三角形では、底辺×高さ÷2ですが、高さに底辺をかけたら、三角形の面積は出ないのでしょうか。絶対に出ないのでしたら、底辺に高さをかけるしかありませんが、高さに底辺をかけても答えはきちんと出るのですから、どちらからかけるかは些末なことと感じられてきます。

さらに、もう一つ、「式」と「頭の中」を考えるのも、かなり面白いです。
8×4=32 と書くのが正解となったときに、実際には頭の中で「シハ32」と計算をしていたら、頭の中は×となるのでしょうか。
「いやいや、式と計算は違いますよ」と考えを進めることもできます。
こんな風に考えていけるのも、算数の面白い所です。

問題文があり、それを読んで式を書きます。
その式を見て、8×4を4×8と書いたとしても、書かれた式を読んだ人がそれで意味が通じているのですから、それでいいじゃないかというのが、私の考えです。
細かいこだわりが大切な場合もありますが、式を書いた子が、もっと算数をやりたいという方向に対応することが良い対応と言えます。
その時に、交換法則など質的に違いのある話が出来ると素晴らしいとなります。

ということで、ジョナサンでの歓談はとても楽しいものでした。
次回の5月はどうなるのでしょうね。楽しみです。

関連記事: