【横山験也のちょっと一休み】№.2412

■古代エジプトの分数■
本棚にあった『はじまりの数学』を読み返してみました。

すると、古代エジプトの分数が紹介されていました。
こんな分数です。

14枚のパンを20人でわけたい。どうすればよいか? (p30)

その答えを分数で示すのが古代エジプト流です。
分数と言っても、普通の分数ではありません。
単位分数(分子が1の分数)で答えます。
ただ、例外的に三分の二は使っても良いそうです。
ですので、「20分の14」や、これを約分した「10分の7」は答えにはなりません。

正解は「2分の1」と「5分の1」になります。

どうやってこの答えを出していくのか、それが今一つ自分にはすっきりしていません。

アフリカの算数に関わるようになってから、もしかしたらと思っていることがあります。

ヨーロッパの人は時計の文字盤で分数のたし算ひき算を考えているのではないか。

西洋の皆さんにちょっと失礼と思われるような仮説ですが、こんな風に思っていたので、文字盤を頼りに解いてみました。
すると、これが面白いように解けます。

そこで、試しにと次の問題を解いてみました。

先ほどの問題に準じれば、「2枚のパンを97人で分ける」という、ちょっと考えられない問題です。
出した答えを、分数電卓で確認したら、正解でした!

通分も約分も、そういう感覚は使いません。
使うのは、「どう分けるか」という意識です。
また、「挟み撃ち」した方が分かりやすいと感じました。

アフリカに行っていなかったら、この考えは浮かんでこなかったと思います。
アフリカに感謝しています。

私の出した答は、下の通りです。
気になるのは、これではパンは分けられないだろうなということです。
こういう時は、現実的には右側2つの分数は捨て去って、50分の1ずつ分け合うのだろうなと思います。
パンが巨大なら、50等分に切ることもできそうで、切ったときのこぼれたパンが捨て去った分量ぐらいになるのかなと思います。
そもそも、パンの問題と設定したところがマズかったかと思いました。

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