2021年07月19日(月)18:53:00

円周率を3として用いてきた職業とは?

【横山験也のちょっと一休み】№.3124

小学校の先生をしていた頃から、面白そうな辞典があると購入していました。ですので、本棚の中には、思わぬ辞典・事典が並んでいます。

私が小学校を退職をする頃に購入した辞書に『図解 単位の歴史辞典』(小泉袈裟勝著、柏書房)があります。この辞典は、なかなか面白く、たまに開いては読みふけることがあります。
 数日前から、また、開いて読み始めたので、目についた面白い内容を少し紹介していきます。

単位の辞典ではあるのですが、算数関係の事も見出し語として立っています。
見出しに、「円周率」があり、次のように書かれています。

中国では古来、円周率として三を用いてきた。

この後、今でも、ある職業では円周率を「3」として利用していることが載っています。さて、その職業とは何でしょうか。
 この様に問われたら、答えるのは難しいです。
ヒントとして、江戸時代から続いている職業と言うことができます。
が、これでも、分からないと思います。
時代劇好きの先生でしたら、清水の次郎長の子分の一人の家業だったとも言えますが、今の子に清水の次郎長と言っても、ダレ?となりそうです。ましてや鬼吉はさらにわからないです。

国語系で諺が好きな先生でしたら、このヒントになるでしょうね。
●「風が吹くと」で始ることわざ

パッと浮かんできた職業が正解です。「桶屋」です。
辞書には次のように続いています。

桶屋は今日までこれを用いている。竹のタガを円周率三として作れば、少し小さめになりよく締まるからである。

桶の話をするような場面は小学校にはなかなか無いですが、大きな桶の写真などと出合ったときに、ちょっと円周率の話をしてあげると、算数好きの子の反応が良くなるでしょう。

そう言えば、子どもの頃、お風呂で使う桶は木でできていました。確かタガが2本廻っていました。まさか、そこに円周率3が生きているとは思ってもいませんでした。
もし、小学生の時に、先生から桶屋の話を聞いていたら、桶への見方が変わっただろうなと思えます。

算数,
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