【横山験也のちょっと一休み】№.3450

『数学:パターンの科学』を毎日少しずつ読んでいます。
今日はコラム欄の「ケプラーの惑星理論」を読みました。見開き2ページですので、コンパクトにケプラーの偉業が記されています。
目を見張ったのは、ケプラーの惑星への疑問です。当時、惑星は6つしか見つかっていません。水星、金星、地球、火星、木星、土星です。これらの惑星へのケプラーの疑問が2つ。

1、なぜちょうど六つの惑星しかないのか
2、なぜ太陽から現在の距離だけ離れているのか

1の疑問でしたら、小学生からでも出てきそうです。小学校で気を利かせる先生は、疑問の立て方の一つの形として、「なぜ」を頭につけるとよいことを伝えています。「惑星の数は6つです」と言われれば、その冒頭に「なぜ」を付ければ、疑問の形になります。小学生ですから、まずは形を学んで、それから本当に疑問に思ったことを記せるようにと成長をしていくので、形だけの疑問形でも、そこには価値があります。

コラムを読み進めると、ケプラーには信念があったと記されています。
「この世界のパターンや秩序は、数学によって、すべて記述可能であり、ある程度説明できるのだという信念」

ここですね。こういった何らかの信念をもって事象を見ているか否かが、その先の説明に大きな違いを生むのだと伝わってきます。
信念と言えば、頭に浮かんでくるのは孔子です。論語を読んでいると信念の人ともいえるものを感じます。ただ、論語はなぜそうなのかという説明があまり書かれていません。そこを読者が自己体験で補って読むのですが、説明の有無はともかくも、疑問や主張の裏にどんな信念があるのかを考えてみることも、いい頭のはたらきとなります。信念の無い疑問や主張もあるので、まずは、信念の有無を見るだけでも、今よりは冴えている状態になりますね。

下の2冊は、算数好きの子を増やしたいという思いで書かれています。面白い本なので、小学校の先生にはぜひ手に取って読んでいただけたらと思っています。今年の春には、第3集が刊行される予定です。


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